「水曜に取り寄せたお酒で土日(週末)を楽しむ」がモットー(志向)。
毎日をゆるく生きる水取 日土志の緩ライフを毎週ゆる〜くご紹介。

さて、今週はどんな緩ライフを過ごしているでしょうか……

今週の晩酌酒 vol.73

新蔵竣工初搾り/Ohmine junmai 3grain 1800ml

半世紀ぶりの復活!
新蔵で初めて搾った記念すべきヴァージン酒



「Ohmine!」


「オー、マイン!」ではない。
「オーミネ!」と読みます。
と言っても何だろねー。
ってとこだけど……

ズバリ、大嶺(おおみね)酒造が出すお酒が
「Ohmine」であーる。
アール=Rは入ってないけど……。

大嶺酒造は山口県美祢市(みねし)にある。
なお、美祢市は
日本最大級のカルスト台地「秋吉台」
有することで有名。

カルスト台地とは石灰石などの
岩石で構成された土地柄で、
雨水などの浸食によって鍾乳洞を形成している。

実際、国の特別天然記念物に指定される
東洋一の「秋芳洞(あきよしどう)」をはじめ、
450を超える鍾乳洞があるという。




秋吉台のはじまりは、
今から約3億5,000万年も前。
(途方もねぇ)
南洋にあった珊瑚礁が起源とされ、
地球内部の運動によって現在の位置に。

だから、秋吉台の堆積岩には、
古生代の浅海に生息していた生物の化石が
たくさん含まれているんだってよ。

それに秋吉台といえば、
日本の現代音楽の聖地みたいなとこ。
かつては現代音楽の国際的なイベントが
開催されていた場所でもあるのだ。

悠久の歴史を育む当地で
ジョン・ケージの傑作「4分33秒」を聴いたら
どんな感慨が生まれるだろう。

マロンだねー。

と、そんな土地で生まれた「Ohmine」が
本日の主役!



新蔵竣工初搾り/Ohmine junmai 3grain 1800ml
(オオミネ ジュンマイ スリーグレイン)


1800ml はこちら   

まず目に飛び込んでくるのは、
「え?! これって日本酒??」

とオイラが見紛うのも無理はない
素敵なボトルー。
デザイン性が高いのに肩肘張ってない感。
スタイリッシュ。洒落乙。センス良し。

次に目を引くのが「新蔵竣工初搾り」の文字。

そっか、今までの蔵が古くなったから、
新しい蔵を建てたんだ……と、
早合点してはいかんよ。




実は大嶺酒造、3億年前の化石じゃないけど、
半世紀以上もの間、半ば休眠状態にあったという。

そんな中、蔵を受け継いだのが
現・醸造責任者である秋山 剛士さん。

海外でのビジネス経験が豊富な秋山さんは
この地の豊かな地域資源と農業を軸に、
地域の未来に繋がる産業を創出したいという
高い志のもと、2010年に復活させた。

いわゆる「復活蔵」である。
ドゥダーーーーーーン!




この大胆な復活劇は並大抵のものじゃない。
なぜなら、第一に
お酒を造ろうにも造る場所がないのよ。

では、2010年以降、
どうやって酒造りを行っていたかと言えば、
他の酒蔵さんに施設を「間借り」して
行ってきたのである。ままかりではない。

「新蔵竣工初搾り」とは、
ついに自分たちが管理する自社蔵で
自分たちの思い描く酒を造ったぞ!
という 魂の咆哮 であり、
復活ののろし であり、
処女航海 への船出なのだ。

8年越しの思いが詰まってる。
あだやおろそかに飲めん。
酒肴もそれ相応のものでな。



タケノコの豚煮

やったーー!
今年もタケノコの季節がやってきタケノコ。

去年はタケノコのホイル焼きにしたが、
今年は煮込む!
タケノコは刺身も焼きも旨いが、
結局、一番飽きないのが煮物なの。

さて、何とどう煮るか算段。

ワカメをさっと炊いて取り合わせる
「若竹煮」もいいし、
カツオだしをたっぷり利かせた
「土佐煮」も捨てがたいんじゃ。

が、しかし、
今年はブランド豚の切り落としと煮て
力強い味わいにしたタケノコの豚煮に決定。
和のあっさり仕立てから180度舵を切ったので、
木の芽の代わりにクレソンをたっぷり。

それから、
豚脂によって味の輪郭が
凡庸になったところに芯を持たせるため、
邪道かも知れないけれど
おろしニンニクを少し利かせる。
これで幾ら食べても飽きない
「タケノコの豚煮」が完成。

はよ、のも、たべよ♪
いざ実食!




早速、一献。
ブドウやメロンを感じさせるフルーティな香り。

口に含むとジューシーでいて
シルクのように滑らかな甘味が湧いて出て、
トロっと粘性のある舌触りとともに
溢れんばかりの豊潤な甘旨味がいっぱいに広がる。

甘味と酸味のバランスがすこぶるいいため、
割と余韻は長いのに、
変にベシャベシャすることもなく
柔らかく、引っかかりもせず、
綺麗な水の風味だけ残し、
スッキリと儚く消えゆく。

悠久の時が育んだ鍾乳洞、
そこを流れる清冽な地下水のように
神秘的な美しさをはらんでいる。

それもそのはず、仕込み水は
日本名水百選に選定された湧水。
別府厳島神社の境内から湧き出る
霊験あらたかな清水なのだ。納得。

アルコール分14%の原酒は飲み口軽く
いや、もっと度数低いんじゃないかと
勘違いするくらい飲みやすい。
すぐに次の杯へと手が伸びる。




「こりゃうまいわー!」
(↑写真は、思わず飲みすぎてかなり目減りしてる)
一言で片づけちまって申し訳ないが、
しょうがない。真理。
うめーもんはうめー。

綿菓子のような幸福感を伴った甘さと
綿菓子のように消えゆくさま。

どんな新技術を使ったのか想像もつかないが、
天衣無縫の軽やかさに
米の旨味が素晴らしく上手く乗っている。
芳醇でいて気品さえ感じられる。

50年も休眠していた復活蔵とは
到底信じられないよー。


さていよいよ、今が旬の
グングン伸びるタケノコちゃんを
まさに“破竹の勢い”
進化し続ける酒蔵の酒で飲る!

グイっといっちゃえグイっと。

ってなわけで今週は
「マー、ドンナお酒でしょう?
と聞かれたら
ライク・ア・ヴァージンなお酒
と答えてしまウマックス!」




最後に商品名について。




「Ohmine Junmai 3grain」
「大嶺 純米 3粒」


「junmai」「純米」と表記されている通り、
こちらは純米酒なのだが、
「3grain=3粒」は何を意味するのか。

久々のご登場、かがた屋酒店の
「バカボン五段」に話を聞いたところ
Ohmine独自の分類表現なのだそう。




使用する酒米の磨き具合によって
米粒の数が変わる。
「3粒」を最大として、
磨かれれば磨かれるほど
ラベルに描かれる米粒の数は減っていく。

こちらのお酒は「3粒」なので、
「Ohmine」の中では
最もお米を磨かず醸されたものだ。

とはいえ、精米歩合58%なので、
本来は「純米吟醸」スペック。
それを「純米」と表記しているのは
「純米」や「純米吟醸」といった
特定名称に固執がないというわけさ。




なお、他を見てみると、
「2grain=2粒」は、
精米歩合48%の純米大吟醸酒、
「1grain=1粒」は、
精米歩合38%の純米大吟醸酒
となっている。

こうした大嶺酒造の自由な価値観と、
新しい価値の創出を図る姿勢は
文字=言葉ではない直感的な表現を生み、
我々を魅了する。

そうさ。「Ohmine」の
スタイリッシュなデザインの奥には
日本酒の行くべき未来が隠されている……。
なんつて、言い過ぎたかな?

いや、そんなことはないんでござるよ。
それを知るには、
2010年からの歴史を遡ることが必要さ。

まず、「Ohmine」から最初にリリースされたのは、
100mlのワンカップ。衝撃のデビューだった。



Ohmine Junmai 100ml

お次は、白磁の720mlボトルでリリース。
オシャレで印象的なボトルにメロメロ。



新蔵竣工記念/Ohmine 48 純米大吟醸 720ml

そして最後に、
今回ご紹介した一升瓶(1800ml)である。

瓶の小型化が進む現代において
時代に逆向するかのごとき振る舞い……
でもね、オジサンはね、ずーーっと
「待ってましたーー!!」

手土産には小瓶がいいよ、知ってる。
でも一升瓶だからこその楽しみ方もあるわけ。

でも、もしかすると、様々なシーンでの
瓶の選び方や飲み方だけじゃなく、
オイラが想像もしないようなことで
トレンドを生み出そうとしているのかも知れないのだ。

まったく末恐ろしい新蔵である。
でもま、まず飲んでみてよ。話はそれからね。

ほしたらばー!




江戸時代中期創業の老舗蔵ながら、
先々代で酒造りが潰えた清酒蔵「大嶺酒造」。
そんな蔵を受け継いだ当代・秋山 剛士氏が
半世紀以上の休眠期間を経て、2010年に復活。

地域資源と農業を軸に、
地域産業の創出を図るという
高い志しのもと切られたリスタートは、
懇意の酒蔵に施設を間借りしての酒造りでした。

それから8年、
ついに念願の自社蔵が完成し、
(2017年12月末)
新蔵で初めて搾ったお酒が到着。

古来のレシピも軽視せず、
新技術に裏打ちされた味わいは
低アル原酒にもかかわらず
米の旨味が豊潤でいて
神秘的なほど美しい。

その自由な価値観と
新しい価値の創出を図る姿勢は
これからの日本酒の
あるべき姿を指し示す光となるでしょう。

今飲むべきお酒です。
ぜひお試しあれ。




日土志が飲んでいるお酒

新蔵竣工初搾り/Ohmine junmai 3grain 1800ml
(オオミネ ジュンマイ スリーグレイン)

商品はこちら

今週のつまみ

<タケノコの豚煮>あっという間に平らげちまった。来年までどうすればいい!



関東近郊の竹林と
オーゼキ 不動前店 

プロフィール

水取 日土志
(みずとり ひとし)


38歳(男性・独身)。西小山在住。
近所のかがた屋酒店でお酒を買って晩酌するのが一番の楽しみ。
出世するつもりは毛頭なく、職場でもお酒のことばかり考えている。
最近、ウンチクが過ぎて部下にウザがられていることを自覚したのか、
酒屋で仕入れた情報は、もっぱら猫か、かがた屋の新人にだけ話している。
西洋かぶれの一面もある。外見からは想像できないくらいチャーミング。

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