「水曜に取り寄せたお酒で土日(週末)を楽しむ」がモットー(志向)。
毎日をゆるく生きる水取 日土志の緩ライフを毎週ゆる〜くご紹介。

さて、今週はどんな緩ライフを過ごしているでしょうか……

今週の晩酌酒 vol.89

東条×吉川/日高見 助六江戸桜 特等山田錦 純米大吟醸

カジュアルに食と楽しめ!
鮨王子が放つ歌舞伎系食中純米大吟醸酒



おまえなんか……
NY(握ってやる)



オイラ、物見高い現し世の俗物だが、
残念ながらこちらの映画は観ていない。
『銀幕版 スシ王子! 〜ニューヨークへ行く〜』
(2008年公開/監督 堤 幸彦)

TV版も観ていないし、当時は、
作品のタイトルや雰囲気だけで判断するに
「常軌を逸してイル!」と思わずにはいられず、
「さすがの堤マジック!」と天を仰いだ。

それはそれ、
うちらの世代で“王子”、“ニューヨーク”
とくれば、アメリカ映画の
『星の王子 ニューヨークへ行く』
(1988年公開/監督 ジョン・ランディス)と
相場は決まっている。
(TVの映画枠でもよく放映していた)

『スシ王子!』のタイトルも
こちらの作品へのオマージュであろうしね。

もちろん『星の王子……』の主演といえば
あのエディ・マーフィだが、
『スシ王子!……』の主演は、
KinKi Kids の堂本 光一君である。

というわけで、本日の主役は、
スシ王子! こと 堂本 光一君!
ではない!!



東条×吉川/日高見 助六江戸桜 特等山田錦 純米大吟醸

商品はこちら   

実は、
スシ王子と称される人物がもうひとりいる。
スシ王子はBARにいる。『11人いる!』
なんつて、あはは。

スシ王子はBARにいないし
(いるかも知れないけど)
いても11人もいない!
もう一人とは誰ぞ?! 早よう!

その人物は……
国内有数の水揚げ量を誇る魚の町、
宮城県石巻市に居を構える
平孝(ひらこう)酒造の社長、
平井 孝浩(ひらいたかひろ)さんである。

なぜスシ王子か。それはね……
「鮨には日高見!」とうたわれるほど、
鮨に合うお酒として全国に名を馳せる銘酒
「日高見」を生み出した人物であり、
その功績と鮨への愛から、“堂本 光一”ならぬ
“鮨王子” の異名をとるに至った。
と、こういうわけなの。

なるほど、激しく理解。
じゃあさ、商品名の
「助六江戸桜」 って何よ?!
鮨とも宮城とも関係ないですよね?




否、多分にある。
ありまクリマ・クリスティ。

早速、解説のほう。
まず、歌舞伎の演目に『助六由縁江戸桜』
(すけろくゆかりのえどざくら)というお芝居あり。
ズバリこれが名前の由来。以上(おいっ!)。

続けます。
この演目は江戸庶民に愛され、
「歌舞伎十八番」の一つに数えられるほど
人気が高く、通称『助六』と呼ばれるんだ。

あらすじ。
舞台は吉原の遊郭。助六が主人公だ。
親の仇討をするため、彼は盗まれた家宝の刀
「友切丸(ともきりまる)」を
人の集まる吉原で探していた。

助六さん実はお侍だが、
侠客のふりをしてケンカを売り、
相手に刀を抜かせるよう仕向ける毎日。
宝刀を持っているか確認するためである。




モテ男の助六は既に、No.1花魁の
「揚巻(あげまき)」
と恋仲なのだが、
その揚巻に入れ込んでいる 「髭の意休(いきゅう)」という金持ちの老人が
この宝刀を持っていると踏んで
刀を抜かせようと画策。
その後も揚巻に助けられながら、
家宝を奪い返そうと奮闘するお話。

なお、こうした歌舞伎は
「荒事(あらごと)」
と呼ばれ、カリスマ主人公の大袈裟で
豪快な芸と演出を愛でるお芝居。
隈取(くまどり)などの出で立ちや
装飾品・小道具においても誇張的な演出を
施し、様式美を究める。

そういえばオイラも観劇したことがあって、
独特の色彩や形状の装いに圧倒されるし、
最後の畳み掛ける場面は、声のボリュームも
緊張感も半端なくて圧巻のお芝居だったな。

以上、歌舞伎の解説終了。



助六寿司

おほ、助六。
そういえば、このおいなりさんと
巻き物を詰めた寿司折をそう呼ぶな。
なんでやねん?
いや実際のところ、
この歌舞伎の演目にちなむんだと。ほほう。

当時の江戸では贅沢を禁止する御布令が
出されていて、握り寿司よりも安価で質素な
いなり寿司と巻き寿司が
庶民に親しまれていたそうな。

その二つを同時に楽しめちゃうという
お得なこの寿司折が登場すると
いなり寿司の油揚げの「揚」
海苔巻きの「巻」をとって
「揚巻」と呼ばれるようになった。




この時点で既に花魁「揚巻」をパロって
名前が付けられたことは想像に難くないが、
洒落た江戸の町人センスはさらに転じ、
歌舞伎十八番『助六由縁江戸桜』の超人気に
あやかってか、助六寿司と呼ばれるように
なったという。

粋だねー。助六寿司自体は安価で素朴だけどさ。
でも何か気分上がるんだよねー。
子ども時分、運動会にママと婆やが
作ってくれた重箱を思い出すからかな。

で、何が言いたいのかというと
「日高見 助六江戸桜 純米大吟醸」の
コンセプトもここにあるってことさ。




現在、歌舞伎は伝統芸能、芸術と見なされ、
チケットも安くないが、
当時の江戸っ子にとって『助六由縁江戸桜』は、
庶民的で人気の高い歌舞伎演目であった。

また、倹約を強制された時代的背景と
『助六由縁江戸桜』に深く関わる助六寿司は
江戸時代から今に至るまで
皆んなに愛されてきた庶民的な食べ物。
庶民の味覚の代表格よ。今でもね。

この上ない身近なエンターテイメント作品と
その名を冠して親しまれてきた食べ物。
そこに流れる江戸の町人文化と
息づかいを感じて生まれたのが
「日高見 助六江戸桜」である。

そのコンセプトは、幕の内(幕間)に
助六の寿司折を頬張るように
“気軽に楽しむカジュアルなお酒” というもの。

“お鮨とお酒”を追求してきた鮨王子が
歌舞伎とスシの奇妙な関係性から出立し、
導き出した答えがここにある。
そして、当然ながら 魚の鮨にも合う酒だ。



握り鮨

久しぶりの握り鮨。
スーパーのパック鮨とはいえ、
えへへー! 助六寿司も好きだけど、
「日高見」飲むんだからしょうがないよねー。
と言い訳。日土志、炎上回避に躍起か!

まあ、置いといてどんどんツマもう。



茹で海老

日高見には先輩格の「弥助(やすけ)」
という鮨に合う酒がある。
香り控えめ、淡麗辛口な味わいで
淡白な白身魚系には抜群の効力を発揮する。

が、濃厚な味わいの鮨と合わせるのは
本筋ではない。
「日高見 助六江戸桜」ではどうか。



マグロ赤身

ふむ。赤身は脂少ないが
マグロならではの風味、くせ、酸味がある。
通常のお酒より穏やかとはいえ
「助六江戸桜」は「弥助」よりも
華麗な香りがあるせいか、
魚独特の強い風味と上手に結びつく。

穴子の泥臭さ、煮ツメの甘さとも
上手く付き合ってくれるし、
光り物やイクラの生臭、卵焼きの風味も
優しく包む。デキル!

これならば、ややもすると
磯の香りが勝ちすぎる ウニ とも
よろしくやってくれそうである。
予算的に今日のネタにはないけど笑。

何より酢飯との相性が素晴らしいことは
念のため言及しておく。
鮨に合う!




純米大吟醸ならではの
線の美しさもさることながら、
純米大吟醸にして
この価格はリーズナブル、気軽だ。
オイラみたいな庶民でも買える。

江戸の町人文化・歌舞伎と
実は関係性の深かったお鮨(寿司)。
宮城の“鮨王子”が新たに放つ
穏やかに香る系食中酒は
相手を選ばず、助六寿司のように
グッとくだけて楽しめる純米大吟醸でした。

でも実はね、使用米が最高峰。
麹米は、吉川産山田錦の特等米
掛米は、東条産山田錦の特等米
である。
い、いいの?! こんな安くて……。
食中とか関係なく道理で旨いわけだ。
ははは、さすが“鮨王子”!

はてさて、ここまで読んだらもう
キミの家も今夜はお鮨だね。
合言葉は、
“鮨でやるなら日高見だっちゃ!”




ほしたらばー!




宮城県 平孝酒造が、
“お鮨とお酒”を追求する過程で、
歌舞伎と江戸前鮨とのつながりを知り、
それを具現化した商品を新たにリリース!

酒米は山田錦産地の最高峰、
兵庫県東条産、吉川産の特等山田錦を
贅沢に使用しているにもかかわらず、
歌舞伎の“幕の内(幕間)に
気楽に楽しむカジュアルな日本酒”という
コンセプトから価格を抑えた
純米大吟醸となっています。




入門編としても楽しめるよう
香り系に仕立てられておりますが
そこは平考酒造が醸す「日高見」。
お酒だけで目立たず、
あくまでも食中酒を意識した
穏やかな香り系の純米大吟醸です。

高精米のお酒だからといって
食前、食後と限定したらもったいない。
初春の前菜、先付けの野菜に軽い酒肴、
食事の後半にもってくる
ウニや穴子、卵焼き等にも滅法相性よく
懐の深いお酒に仕上がっています。
お鮨ともぜひどうぞ!





日土志が飲んでいるお酒

東条×吉川/日高見 助六江戸桜 特等山田錦 純米大吟醸 1800ml

商品はこちら

今週のつまみ

<助六寿司と握り鮨>巻き寿司の中身は、卵焼きとシイタケの煮物とキュウリとデンブでした。



東急ストア フードステーション西小山店
 

プロフィール

水取 日土志
(みずとり ひとし)


38歳(男性・独身)。西小山在住。
近所のかがた屋酒店でお酒を買って晩酌するのが一番の楽しみ。
出世するつもりは毛頭なく、職場でもお酒のことばかり考えている。
最近、ウンチクが過ぎて部下にウザがられていることを自覚したのか、
酒屋で仕入れた情報は、もっぱら猫か、かがた屋の新人にだけ話している。
西洋かぶれの一面もある。外見からは想像できないくらいチャーミング。

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