「水曜に取り寄せたお酒で土日(週末)を楽しむ」がモットー(志向)。
毎日をゆるく生きる水取 日土志の緩ライフを毎週ゆる〜くご紹介。

さて、今週はどんな緩ライフを過ごしているでしょうか……

今週の晩酌酒 vol.39

[2002年醸造/菩提もと]
百楽門 魚龍変化 純米 無濾過原酒 大古酒 720ml

室町の伝統技法×超長期貯蔵
シリアルナンバー入りの限定大古酒!



暑いっすね、バテそ。
そんなときは馬力注入。
美味い肉と旨い酒で暑気払い!
に限る。

さ、そんなわけで、
肉にも夏にもドン・ピシャリ、
旨味とキレが冴える酒と言えば……

1887(明治20)年創業、
奈良の葛城酒造が醸す酒
「百楽門」である。正解!

備前雄町を代表とする米への情熱、
金剛山系の伏流水で仕込むという
自然の恩恵を受けつつ、
伝統技法への畏敬と継承が
その旨さの秘密と解く。

中でも同蔵の大きな特徴が、
「菩提もと仕込み」と「どぶろく」造りを
行っていることだ。

今週の晩酌酒もその一つ、
「菩提(ぼだい)もと仕込み」で造られたお酒、
ということで、ハイっす!
早速ご尊顔を拝す!!



[2002年醸造/菩提もと]
百楽門 魚龍変化 純米 無濾過原酒 大古酒 720ml


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「菩提もと」とは、
15世紀に行われていたと伝わる
酒造りの技法。
(詳しくは後半の「ちょこっとスタディ」で)

名前の由来は、
奈良・菩提山正暦寺(しょうりゃくじ)が
起源だから。なるほどね。

できた酒は「菩提泉」と呼ばれ、
仏様への献上品だったそうだけど、
絶対自分らが飲みたかっただけでしょ。

おっと勘繰りが過ぎた、失礼。
でも、当時のお坊様たちが確立してくれた、
乳酸菌を利用する醸造法が
のちの生もと造り元となったわけだから
感謝しなくちゃあね。

と、そんな古代の技法「菩提もと」で
造られた百楽門なわけだけど、
トピックはそれだけじゃないの。




ぬ、ぬわんと、2002年醸造の大古酒で、
全宇宙で限定270本だけっ!
そのうち、かがた屋酒店には36本のみの
限定入荷だというではないか、ムムッ。

およそ15年にもおよぶ歳月が詰まってるし、
ラベルにしっかりシリアルナンバーが入ってるわけ。
この限定感タマランチ会長!

というわけで酒は極上品を手に入れた。
合わすツマミは既に決まっている。

夏バテ防止につき、
馬力注入が命題の本日は、
文字通り馬肉を喰らう!



馬刺し
(向かって左が赤身、右がロース)

かがた屋酒店の中型ルーキー、
バカボン四段と世間話をしていると、
業務スーパーに冷凍馬肉が売っていると
いうではないか。

「たまに買うんですよね、ふふんっ」




自慢なのか何なのか、
なんか上から目線で鼻についたし、
にわかに信じ難かったが、
そいつぁ好都合と膝を打って、
にんにくなど薬味とタレを同時購入。

なかなか見つけられなかったけど
本当に売ってたのよ、馬肉。

しかも、
赤身とロース(どちらもカナダ産)の
2つの部位を発見につき、
もちのロンで両方試してみる次第。
いざ鎌倉、ならぬ、イザ・カナダ!

と行きたいところだが、
馬刺しの前にまずは一献。

今日は常温で飲(い)く。
常温といっても冷房つけてないので
30℃以上、真夏日。




見てたもれ、この琥珀色の液体を。
金色の野に降り立つが如し。
(風の谷の姫君が)

もっとトロトロかと思いきや、
意外とサラリとしているように思う。
そんな質感。

香りは思った通り、
香ばしい熟成香が立つが、
なんだか至極上品である。
(こういう熟成香は初めて)

ついに、ひと口飲んでみる。

見た目よりもトロリと滑らかなタッチ。
まろやかな甘味、ふくよかな味わい。
後味はスキッとしてキレ味冴え渡る。

大古酒ながら、程よい酸味で
ベタっとしない重くない、
抜群のボディ・バランスを体現。
これが魚龍変化か!

もはや迷いなし、座禅後の心持ち。
馬刺しと参る!




おお、さすがロース。
クセなく歯切れよく繊細な質感。

魚龍変化で追いかければ、
脂がのったロースの甘味と
魚龍変化のカラメル様の甘さとが
渾然一体となって、ブルルッとくる。

お次は、馬肉といえばこちらが本命。
ロースよりクセも歯応えも強い赤身。

ニンニクすりおろしと醤油、
味噌、豆板醤、砂糖などを混ぜ込んだ
オイラ特製のタレをどっぷり付けて
ワシワシ喰う。

肉だ。韃靼だ。タルタルだ。
すかさず魚龍変化だ。




馬の赤身特有のケモノ感ある
ワイルドな味わいを、魚龍変化の
ふくよかなボディと風味で包み上げ
肉を食む喜びにむせぶ。

あとに残るのは、白い馬、
スーホの白い馬が草原を駆け抜け、
金色の清冽な東風が馥郁として
鼻腔を吹き抜ける。

嗚呼、まさに魚龍変化。
大魚が龍に変身するが如く、
「馬龍変化ウマックス!」

馬刺しが龍に変化して、
今、天界の門、百楽門を開いた。




馬肉の情報いただいたので、
バカボン四段にもおすそ分け。
旨そうに食いやがるなー笑。

食べて飲めるって最高!
生きるって楽しい!
オイラまだまだ飲むぞ。
ほいじゃーね!


☆ちょこっとスタディ☆
菩提もと

菩提もとの仕込みはまず、
使用するお米全体の1割を焚き、
残りの9割の生米の中に埋めて水を加える。

すると、数日のうちに乳酸発酵が進み、
酸味の強い水ができる。
と同時に酵母も増えて、
ぽつぽつと泡も出てくる。

次に、この酸っぱい水(乳酸酸性水)を
濾して仕込み水とし、
そこに麹と、漬けておいた
残りの9割の生米を蒸して入れる。
これを酛(酒母)としてお酒を造るのだ。

乳酸発酵により雑菌の繁殖を防止するという
理にかなった醸造法である。

ただし、酛(酒母)といっても
当時は一段仕込みで、
「酒母造り=酒造り」であったらしく、
そうしてできたお酒が「菩提泉」と呼ばれたようである。

現在、百楽門の菩提もと仕込みは、
菩提もとの起源である正暦寺で酒母を仕込み
それを酛(酒母)として純米酒を醸造している。




室町時代の古代製法「菩提もと」で
醸した2002年醸造の大古酒。

龍に変化し、
天界へ飛翔した大魚の如く
長い年月を経て、
琥珀色の身をまとった純米酒です。

熟成酒ながら
馥郁たる上品な香りが漂う。

後味はスッキリと冴え渡り、
甘くて辛口という
唯一無二のバランスは圧巻。

全世界270本限定。
(当店には36本の限定入荷)
1本1本にシリアルナンバーが
入ってます。

色、香りとともに、
伝統と時間がもたらした旨味を
ぜひ味わってください。



日土志が飲んでいるお酒

[2002年醸造/菩提もと]
百楽門 魚龍変化 純米 無濾過原酒 大古酒 720ml
 

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今週のつまみ

<馬刺し>
馬肉といえば本場は熊本だが、カナダ産が売られているとは知らなんだ。割とクセが少なくて美味しい。



業務スーパー 西小山店
 

プロフィール

水取 日土志
(みずとり ひとし)


38歳(男性・独身)。西小山在住。
近所のかがた屋酒店でお酒を買って晩酌するのが一番の楽しみ。
出世するつもりは毛頭なく、職場でもお酒のことばかり考えている。
最近、ウンチクが過ぎて部下にウザがられていることを自覚したのか、
酒屋で仕入れた情報は、もっぱら猫か、かがた屋の新人にだけ話している。
西洋かぶれの一面もある。外見からは想像できないくらいチャーミング。

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