「水曜に取り寄せたお酒で土日(週末)を楽しむ」がモットー(志向)。
毎日をゆるく生きる水取 日土志の緩ライフを毎週ゆる〜くご紹介。

さて、今週はどんな緩ライフを過ごしているでしょうか……

今週の晩酌酒 vol.57

新酒/百楽門 純米吟醸 しぼりたて生原酒

祝☆復活! 超絶遅れてきた
ルーキーが醸す魂の美酒



門(=Gate)!

「門」といえば何でしょか。
入門、門仲(門前仲町)、関門海峡。
お父っつあんの時代なら五木寛之パイセンの『青春の門』とか
もっと遡れば「羅生門」(芥川龍之介)でしょうか。
んで、うちらの世代はイエモンてね!
(The yellow monkey,サントリー伊右衛門)

でもオイラはやっぱり凱旋門かなぁ。
フランス・パリ帰りなモンでね。

ははは、嘘もダジャレも休み休み家!
カモン!百楽門!



新酒/百楽門 純米吟醸 しぼりたて生原酒

720ml はこちら 1800ml はこちら   

百楽門という名前には、
“家族や友人、自然などに常に感謝し、
楽しい宴に興じ、心の門を開けましょう”
という字面からは中々読み取れない
優しく前向きな意味が込められている。

醸造元の葛城酒造は古都・奈良にある。
つまり、前回の澤屋まつもと(京都)に続き、
関西行脚第2行。
奇しくも古都から古都へ移動だ。

さてそろそろ日も暮れるから京都で一泊して
明日早朝にデッパツ、と算段していたところ
さすが世界に名立たる伏見 in 京都シティ。
行楽シーズンもあってか、空き宿一室もない……。

あるにはあるが一泊3万超の高級宿。
見栄張る相手もいないのに金は打線!
(ちろもん酒になら出すが)
と思いながら近鉄線にお一人様揺られ
途中下車し素泊まり。おやすみボンニュイ。




翌朝。宿から駅へ歩く。
おお! こんなところにバッファローズ。
近鉄線だモンね。
確かにバッファローズのホームグラウンド。
がんばれ! 猛牛軍団!

って、球団もうないけどね。今はオリックスか。
当時は日本人メジャーリーガーの
パイオニアとして有名な野茂英雄投手も在籍。
萌えたねー、トルネード投法。

思い出に浸ったところで再び近鉄線に乗り込む。
揺られること数時間、御所線(ごせせん)の終点、
近鉄御所(ごせ)に到着。
インペリアルな名前にちょっとビビる。

駅前は国道24号線が走ってて車の往来は多い。
そこから車で約10分。
ついに奈良の銘酒「百楽門」醸造元・葛城酒造に到着。




看板も渋い!
だが侮るなかれ、奈良である。
神代からの系譜を引き継ぎ、
日本の有史を紡ぎ出した
この国の大本とも言える「大和」の地。
何より清酒発祥の地。

酒蔵のある御所市(ゴセシティ)には
日本武尊白鳥陵や幾つもの天皇陵、古墳など
遺跡がそこかしこにある。
地域全体がパワスポ(パワースポット)だ。

そしてそんな土地で孤軍酒造りを守る
男の中の男闘己にご登場願おう!
百楽門杜氏・久保伊作氏!



超絶遅れてきたルーキー・久保伊作杜氏 と 百楽門

720ml はこちら 1800ml はこちら   

なぜ超絶遅れてきたルーキーなのか。
実は久保杜氏、すでに還暦を迎えた身
であるにもかかわらず杜氏デビュー!
という異色のルーキーなのだ。

それまで社長として経営を担ってきた久保杜氏。
杜氏デビューの理由は、
今まで一緒にやってきた杜氏さんが
怪我をして現場に立てなくなってしまったから。

お分かりの通り、杜氏は酒造りの総監督で、
AKB48で言えばたかみなだ。違うか。
だから杜氏が変われば酒が変わるし、
杜氏がいなければ酒造りはできない。

しかも辞めた杜氏さんは、
数々の賞を受賞した名工だったわけで
廃業も考えざるを得なかったろう。

だが、そんな最悪のパターンも含めた
幾つかの選択肢がある中で久保社長が選んだのは
自分で仕込み、醸すこと。

新人・久保伊作杜氏の誕生である。
齢六十三にしてなんとも大胆な決断だと
感じざるを得ません。




↑葛城酒造の社屋。
雰囲気のある佇まいは大和の地にふさわしい。


だが気になるのは味のほう。
一朝一夕で務まれば誰も苦労しない。

そうして穿って見ていた自分が
恥ずかしいと思える酒を先日かがた屋酒店で買った。
このしぼりたて新酒の前に出た「どぶろく」だ。

もう売り切れてしまっているが、
こんなにデキの良いどぶろくは飲んだことがない!
と震えた。米の旨味を存分に味わえつつも
すっきり爽やかな後口でいくらでも飲める。
これで暗雲なんかすっかり吹き飛んだ。

何十年と酒造りに関わってきた久保社長。
酒造りに対する情熱と並外れたセンスは
比肩する者が見当たらない程溢れている。

もちろん酒造りは一人ではできない。
そう。以前から仕込みがあれば
造りを手伝ってきた地元の蔵人たち、
前杜氏とともに百楽門を支えてきた担い手たちが、
新人杜氏にあれこれ教え、導いてくれている。

久保杜氏は仲間を得て、
初めての新酒を醸し、上槽した。
オイラは今、そいつを飲みながら
この原稿を書いている。

めでたい気分にぴったりの華やかな芳香と
水のようなすっきりとした飲み口で旨いぜぇ。

「迷わず飲めよ、飲めば分かるさ!」

というわけで
2017年もあと指折り数えるばかり。
皆さま、一年間ご愛読ありがとうございました。
来年もよろしくお願いします!

皆さんも百楽門呑んで、
いい年越しをお過ごしください。
ほいじゃーね!




2017年もお世話になりました。
来年も日土志は大いに飲み、
好き勝手に発言して参りますので
お店共々どうぞよろしくお願いいたします。




超絶遅れてきたルーキー・久保伊作杜氏が
初めて醸し、世に問うしぼりたて新酒!

それまで経営者として酒造りに関わってきた
百楽門醸造元・葛城酒造の久保伊作社長が
杜氏の怪我によって還暦を迎えて後、
自ら杜氏として再出発を決意。

何十年と培ってきた目利きに加え
酒造りへのありったけの情熱と
センスの全てを惜しまずぶち込んだ
ド根性の一本。

そんな気合いとは裏腹、
味わいはめでたい気分にぴったりの
華やかな吟醸香と
百楽門らしく水のように
すっきりとした飲み口で
スルスル入ります。

紅白歌合戦観ながら呑むもよし。
新年一発目のおとそで呑むもよし。
値段も手頃で年末年始に大活躍間違いなし!

数に限りがあります。
お早めにご注文ください。




日土志が飲んでいるお酒

新酒/百楽門 純米吟醸 しぼりたて生原酒
(ひゃくらくもん)

720ml はこちら 1800ml はこちら

プロフィール

水取 日土志
(みずとり ひとし)


38歳(男性・独身)。西小山在住。
近所のかがた屋酒店でお酒を買って晩酌するのが一番の楽しみ。
出世するつもりは毛頭なく、職場でもお酒のことばかり考えている。
最近、ウンチクが過ぎて部下にウザがられていることを自覚したのか、
酒屋で仕入れた情報は、もっぱら猫か、かがた屋の新人にだけ話している。
西洋かぶれの一面もある。外見からは想像できないくらいチャーミング。

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