「水曜に取り寄せたお酒で土日(週末)を楽しむ」がモットー(志向)。
毎日をゆるく生きる水取 日土志の緩ライフを毎週ゆる〜くご紹介。

さて、今週はどんな緩ライフを過ごしているでしょうか……

今週の晩酌酒 vol.45

[550日熟成/超ひやおろし]姿/大正の鶴/天狗舞

ついに解禁! ひやおろしの向こう側
超ひやおろし三銃士 見参!



「ひやおろし」って言葉を知ってるかい?

このワードを知っているかどうかで、
日本酒への精通具合が分かるってもんだ。
なぜなら秋限定の特別なお酒だから。

移ろいゆく四季を感じながら、
ゆったりまったりと、時には襟を正しつつ、
一年を通して酒を嗜んでいなければ
知り得ない種類のお酒なわけで……

オイラみたいな紳士や淑女の皆さんなら
いざ知らず、ポッと出のルーキーには
真似できない芸当、大人の嗜みってとこよ!

それに「ひやおろし」って言葉を紐解くと
日本酒のイロイロが詰まってるんだなぁこれが。
だから今日は、ご存知の方も多いことを承知で、
敢えて「ひやおろし」についておさらいしたい。

と思ってたんだけど、そうそう。
ここ(かがた屋酒店)には「ひやおろし」の
さらに上、「超ひやおろし」があるんだった。
かがた屋酒店に、超ひやおろし三銃士見参!



[550日熟成/超ひやおろし]ラインナップ
写真左:大正の鶴 特別純米 無濾過原酒 1800ml
写真中央:姿 純米吟醸原酒 艶すがた 1800ml
写真右:天狗舞 山廃純米 1800ml

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かがた屋酒店の大型 中型ルーキー・バカボン四段
によると、「超ひやおろし」って、かがた屋酒店が
勝手におっぱじめた企画なのだそうだ。

「へぇ〜そうなんだ」
って、アホ面に気をつけろ日土志!
バカボン四段に隙を突かれる。




何が「超」(ひやおろし)なのかは後で聞くとして、
まずは「ひやおろし」の語源を探る。歴史をたぐれ!

17世紀後半、江戸時代前期、兵庫の灘(なだ)で
冬場に行う酒造り、つまり「寒造り」が
始まったわけだけど、
これにより、酒質の安定と向上が見られたため、
それまで通年で行われていた酒造りが冬場に
限定されるようになった(幕府も奨励)。

この冬場にしぼったお酒を火入れ(殺菌)して、
焦らず騒がず蔵の貯蔵庫でひと夏越させ、
適度に熟成させたものが、特別に「ひやおろし」と
呼ばれるようになる……。



ひやおろしズラーっと勢揃い



なぜ「ひやおろし」と呼ぶか。

言葉を分解すると「ひや(冷や)」と
「おろし(卸し)」になる。
昔は、当たり前だけど冷蔵庫なんて無くって、
常温のことを「冷や」って呼んでいた。

そんな当時、夏から秋口、段々肌寒くなり、
外気温が酒蔵の涼しい貯蔵庫と同程度になった今頃、
常温(冷や)でおろされることから「ひやおろし」
と言われるようになったそうな(諸説あり)。

つまり、通常は冬にお酒を搾った時と、
おろす際に2度火入れ(加熱殺菌)して出荷するものを、
2回目の火入れは行わず常温(冷や)のまま
卸していたってことさ。

また、秋に上がる(酒質が向上し完成する)のを待って
出荷することから、別名「秋あがり」とも呼ばれる。




毎年9月9日(重陽の節句)が
「ひやおろし/秋あがり」の解禁日というふうに
協会(日本酒造青年協議会)が定めていて
待ちわびる日本酒ファンは多い。オイラもその一人。

残念ながら解禁日前に出回っちゃうこともあって、
早もの喰いの江戸っ子なオイラもちょっと興ざめするけど
そこは置いといて話を続けます……。

さて、ひやおろしの何が魅力かって?
最大のポイントは「熟成」にある。
新酒のフレッシュさももちろん良いけれど、
ひやおろしはカドがとれて、非常に味わいまろやか。
口当たり柔らかなお酒になる。

先日は、かがた屋酒店の『ひやおろし試飲会』で
20銘柄ほど試飲したけど、総じて抜群に旨い!
ぜんぶ旨いって?! 大五郎、本当か?
「チャーン! オイラ嘘ついてなんかいねえ!」

ホラ吹きと言われようが構わんが、
一度味をみてやっておくんなせぇ。
折角だから、江戸を思いながら冷や(常温)が常道。
燗つけても乙なもんすよ。




いやーーーーこたえられんよ!
ひやおろしだからこそよく分かる優しき米の旨味。
調和のとれた甘味と酸味、奥まった苦味は
時間が織り上げてくれたもの。

これぞ熟成の力。夏の余韻。読書の秋!
ひやおろしの醍醐味。ひと夏の恋を経て、
オトナへと一歩近づいた若人のごとし!

ではオトナはどこに居る? 円熟味あるオトナは。
「おいおい、どこ見てんだ?! ここに居るですよ!」




[550日熟成/超ひやおろし]姿 純米吟醸原酒 艶すがた 1800ml

商品を見る     「超ひやおろし」の肩ラベルがバーンッと
貼ってあってインパクトあるね、うん。

さ、時は満ちた! バカボン四段から聞いた
「ひやおろし」と「超ひやおろし」の違いに
ついてご説明差し上げる。

まず、「ひやおろし」は、
さっきも説明した通り、冬に搾ったお酒を
秋に出荷するので約半年間の熟成である。

それに対し、「超ひやおろし」は
半年寝かせた通常の「ひやおろし」を
冷蔵庫でさらに一年熟成させたもの。
合計一年半以上の年月を経て卸したものだそう。
なるほど、熟成期間の違いか。



[550日熟成/超ひやおろし]大正の鶴 特別純米 無濾過原酒 1800ml

商品を見る     余計に一年の熟成とはいえ、
冷蔵庫貯蔵だから熟成は緩やかに進むはずで、
秋上がりしてまろやかになった「ひやおろし」が
さらに2回目の秋上がりを経てどんな味わい、
香りへと変貌を遂げ、「超ひやおろし」になっているか。

「ひやおろし」と飲み比べたらさぞ楽しいだろうなー。
会社の同僚たち誘ってやってみようかな。
いつもの「ひやおろし」にしても、
毎年首長〜くして待っているわけで、
「熟成の時間=オイラが待つ時間」は価千金といえよう。

ならば「超ひやおろし」は
もっと時間が長いんだから、万金に値する!
こいつを秋の味覚と試したら、
その価値ってもう何?! 億金? 兆金??

今週はまだ開栓前だけど、
「ひやおろしエボリューション来たれり!
超ひやおろしで秋の到来乾杯ウマックス!!」



[550日熟成/超ひやおろし]天狗舞 山廃純米 1800ml

商品を見る     ちなみに、今年の「超ひやおろし」ラインナップ、
姿・大正の鶴・天狗舞は、今年しか手に入らんということを、今のうち言っとく。
岸部一徳。

しかも、通常のひやおろしより手間暇かかっているのに
お値段据え置きですってよ。よっ太っ腹!



↑「超ひやおろし」と同銘柄で、通常の「ひやおろし」ももちろんある

そして、今更ながら、今日の酒肴は、
秋味覚の王者、秋の刀の魚と書いてサンマだ。




サンマも昨今は手頃な値段で手に入りにくくなった。
サンマに限らずだが、近隣国の漁船が
日本の排他的経済水域より外洋に出かけて行って、
日本近海に泳いでくる前に獲っちゃうって話だ。
最近テレビのワイドショーでも頻繁に見る。

そんなに早く獲っちゃったら、
魚さんも生育しきってないだろうし、
だいいち、遠洋から運ぶため冷凍したサンマじゃ、
あのほろ苦くて、悶えるほど旨い肝が味わえない。
(あんな旨いもん、そーはないよな)

そんなの本当の旨いサンマじゃないから
自分で自分の首を絞めてるようなもんだと思うんだけどな。
「やはりサンマは目黒に限る!」




とはいえ、沖合で獲れたばかりの、
冷凍じゃない旬の生サンマを秋酒でしゃぶりつくす!
なんてこのご時世には贅沢過ぎるってことなんでしょか。

オイラなんかは、その食文化を守り
楽しむこと以上に大事なことってあるのかな?
と思っちまうね。
おっと説教臭くなった。耳汚してすまん。
オヤジの独り言さ、聞き流しておくれ。

さてもす、サチモス、もうすぐやってくる
10月1日は「日本酒の日」。
今年は「ひやおろし」ともう一本、
「超ひやおろし」で迎えるってどうかな。
間違いなく最高だよね。

合言葉は、
『今年の超ひやおろし、今年のうちに。』
ほいじゃーね!




ひやおろしを超えるひやおろし
ビヨンド・ザ・ひやおろし
超ひやおろし!

ひやおろしファンの皆様に捧げる
かがた屋酒店独自の提案酒です。

通常、半年程度のところ
プラス一年、冷蔵庫でぐっすり貯蔵。
なのにお値段据え置きの超太っ腹価格!

ひやおろしの魅力といえる適度な熟成に、
一層磨きを、いや、時間をかけた
大変まれなお酒です(計一年半以上熟成)。

ひやおろしに輪をかけた円熟味
まろやかで旨味が凝縮したような
味わいをぜひご堪能ください。

今年のラインナップは姿・大正の鶴・天狗舞の3銘柄。
次回はいつになるかわかりませんので、
お買い逃しなく。

お取り扱いはかがた屋酒店限定です。
お早目にご注文ください。



日土志が飲んでいるお酒

[550日熟成/超ひやおろし]姿/大正の鶴/天狗舞
 

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今週のつまみ

<焼き秋刀魚>
最近は北海道産とかの生の秋刀魚が、近くの小売店で売っているんだから、流通の革新ってすごいと思う。



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プロフィール

水取 日土志
(みずとり ひとし)


38歳(男性・独身)。西小山在住。
近所のかがた屋酒店でお酒を買って晩酌するのが一番の楽しみ。
出世するつもりは毛頭なく、職場でもお酒のことばかり考えている。
最近、ウンチクが過ぎて部下にウザがられていることを自覚したのか、
酒屋で仕入れた情報は、もっぱら猫か、かがた屋の新人にだけ話している。
西洋かぶれの一面もある。外見からは想像できないくらいチャーミング。

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