「水曜に取り寄せたお酒で土日(週末)を楽しむ」がモットー(志向)。
毎日をゆるく生きる水取 日土志の緩ライフを毎週ゆる〜くご紹介。

さて、今週はどんな緩ライフを過ごしているでしょうか……

今週の晩酌酒 vol.35

[1%のキモト]鏡山 純米生もと無垢 香味芳醇生酒

これぞKIMOTOイノベーション!
夏に新定番の鏡山×鏡山



埼玉県川越市。
「小江戸」とも呼ばれ、城下町の面影を
残す街並みは小粋で風情がある。

そのため観光地としても人気で、
テレビや雑誌などでよく特集が組まれる。
外国人旅行客も超多い。

そんな蔵の街・小江戸川越に、
1875(明治8)年創業の酒蔵がある。
名を「小江戸鏡山酒造」という。
遡ること142年、堂々たる歴史を持つ蔵元だ。

しかし、正確な創業年は、
2007(平成19)年であるという。
ん?!
創業年に132年のズレ。一体どういうことか。

実のところ、前身である旧・鏡山酒造株式会社は、
時代の流れに寄り添う形で、
2000(平成12)年に一度、酒造りを辞している。
しかし、地元の熱い声と関係者の協力のもと、
6年の空白期間を経て復活。

再興後は、温故知新の精神で銘酒を復刻、
さらなる進化を続け、“創業10年の老舗”という
稀有な出自の蔵元としても全国に名を馳せている。



[1%のキモト]鏡山 純米生もと無垢 香味芳醇生酒

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日本酒好きにはご存知の「生もと」。
江戸初期には基本的な製法が確立されたと
言われる昔ながらの造り。

乳酸菌を増殖させ、彼らが生成する乳酸によって
雑菌の汚染を防ぐ酵母培養法だが、大変な労力を
必要とする「山卸(やまおろし)」の工程を踏む。
※山卸については後述の「ちょこっとスタディ」を参照

この山卸の工程をショートカットしたのが、
その後継ともいうべき「山卸廃止もと(山廃もと)」
ってわけだ。実に分かりやすい。




一方、現在の主流は「生もと」でも
「山廃もと」でもなく、「速醸もと」による造り。
市販の醸造用乳酸を添加することで、
安全で安定的な酒母造りが可能なため、
生産量の9割を占めている。

残り1割のうち、「山廃もと」は9%、
「生もと」に至っては1%に過ぎない。

特定名称酒自体、清酒全体における生産量は
まだまだ少ないのに、「生もと」ってば一体全体
……超貴重じゃんっ! ってことなんよ。

だから、その貴重な生もと鏡山様には、
ぜひ忖度させていただいて、
同じ鏡山印の酒肴で談合、調印と参る。



[純米酒漬込み熟成]鏡山 酒粕クリームチーズ

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ぬ、ぬわんと!
このクリームチーズは小江戸鏡山謹製。
酒蔵がチーズまで作っちゃうとは。

さすがにどうなんだろうと思ったけど、
ビジュアルからして訴えかけてくるものがある。
所謂ひとつのジャケ買いですね♪

包みを丁寧に剥ぐと、
純白のクリームチーズがお目見えするので
やわい本体を上手にカッティングしてお皿に。
早速一つ頂いてみます。




「ファッ!」

看板に偽りなし。酒粕のい〜い香り!
まじめな造りの吟香がフワッと鼻腔を抜けて
おっとりしたところで、濃密濃厚、コクのある
ミルキーな味わいがドドンッと攻め込んでくる。
どぅわーっと旨味の洪水。擬音祭り。

普段食べるクリームチーズとは一線を画す。
まず酸っぱくない。
酸味が柔らかいからすっごく食べやすいし、
何種類ものアミノ酸が複雑に絡み合っている
みたいに旨味がギュッと詰まってる。

後に残るのはリンゴのような爽やかな香りと
すっきりとした甘み。次のピースに手が伸びる。

おっととオイラまだ、
お酒の鏡山をいただいてなかったぞ。
わりーなクリリン。




グラスに注いでそっと香りを嗅ぐと
リンゴやブドウ、パイナップルのような
甘美で凛とした香りに背筋ピンッ!

口当たりまろやかで、軟水を出自とした
良家の出であることがよくうかがえる酒質。
そんな良家の箱入り娘、ボンボンが、
一念発起で世界を放浪。

ブルガリア人(乳酸菌さん)をはじめとした
多種多様な人々(微生物たち)と関わり、
強靭な胆力(酵母)を養うことで、
味わい深い人間性(あるなら酒性だが、
ここでは濃淳な旨味・甘味)をたずさえて帰国。

最後は、彼らとの出会いで得た刺激(酸味)が、
体内を駆け巡り、生もとに革新をもたらした。
これぞKIMOTOイノベーション!

どっしりというイメージの生もとにして
すっきり飲めるアフターのキレに驚くこと
間違いなし。これこそ最良の酸の成せる技!
例えるなら、余韻は甲州種のブドウで造られた
質の良い白ワインのごとし。




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そして、この酒が鏡山のクリームチーズに
合わないはずがないじゃない。
食わんでも分かる、分かるよ。でも食う。
鏡山のチーズを口に運んで、数回咀嚼したら
これまた鏡山の生もとで追っかける♪

するとどうだ。リンゴ様の芳香は強さを増し、
まるでリンゴの蒸留酒・カルヴァドスを
思わせる高貴な香りが立ち昇る。

不思議。
これが鏡山×鏡山の真価だというのか。
夏だし、暑いのにまだ飲むの?
っていうぐらい杯がすすむ。

この生もと&クリチーは、
夏に革新をもたらした。よって今宵は、
「鏡山×鏡山=サマーイノベーションUMAX!!」




クリチーだけじゃねぇぞ、
果物ともべらぼうに合う。
よく冷やしたジューシーなフルーツたちと
刺しつ刺されつ交互にやると
また幾っくらでもイケちゃう!

フルーツの水分が和らぎ水の
代わりになってるわけさ。
飲みながら熱中症防止よ。
いやー我ながらこの組み合わせの妙には参った。

「鏡山クリームチーズ+フルーツ」
×
「鏡山 純米生もと」

夏の新定番、真打確定!
騙してないけど、騙されたと思ってやってみ。
ほいじゃーね!


☆ちょこっとスタディ☆
山卸(やまおろし)

生もと系酒母には、「生もと」と
その後輩にあたる変化形の
「山卸廃止もと(山廃もと)」があります。

どちらも乳酸菌を増殖させ、彼らが生成する
乳酸によって雑菌の汚染を防ぐ酵母培養法。

山廃はその名の通り「山卸(やまおろし)」
を廃止したものですが、生もとは山卸を行います。

山卸とは、酒母を造るための工程の一つで、
「半切り」と呼ばれる浅めの桶に、
蒸米・麹・水を入れ、混ぜ合わせたものを
2、3人1組で、櫂を使って摺り潰すこと。
そのため、「もと摺り」とも呼ばれます。

山卸は、麹の酵素作用を促進させることが目的
ですが、作業は重労働かつ、真冬の深夜に行うなど、
蔵人に大変な負担がかかるため、
山廃仕込みが確立されると、
生もと仕込みの比重は徐々に減っていきました。
また、「速醸もと」の普及が、減少に拍車をかけます。

しかし、近年は同じ生もと系酒母の山廃とともに、
「生もと」による複雑味豊かな酒質を求めて、
果敢に取り組む蔵元も目立ってきています。


日土志が認めた
夏の新定番「生もと」。

鏡山同士、
クリームチーズと掛け合わせれば、
(それからフルーツも)
暑い季節に革新をもたらします。
よく冷やしてどうぞ。

数に限りがあります。
お早目にご注文ください。



日土志が飲んでいるお酒

[1%のキモト]鏡山 純米生もと無垢 香味芳醇生酒

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今週のつまみ

<鏡山の酒粕クリームチーズ>
酒粕の香りが食欲増進。味にクセがないから色んな料理に応用が利きそう、試してみて!



かがた屋酒店 と
東急ストアフードステーション 西小山店

プロフィール

水取 日土志
(みずとり ひとし)


38歳(男性・独身)。西小山在住。
近所のかがた屋酒店でお酒を買って晩酌するのが一番の楽しみ。
出世するつもりは毛頭なく、職場でもお酒のことばかり考えている。
最近、ウンチクが過ぎて部下にウザがられていることを自覚したのか、
酒屋で仕入れた情報は、もっぱら猫か、かがた屋の新人にだけ話している。
西洋かぶれの一面もある。外見からは想像できないくらいチャーミング。

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