「水曜に取り寄せたお酒で土日(週末)を楽しむ」がモットー(志向)。
毎日をゆるく生きる水取 日土志の緩ライフを毎週ゆる〜くご紹介。

さて、今週はどんな緩ライフを過ごしているでしょうか……

今週の晩酌酒 vol.36

[卸先わずか2社/新規取引蔵]クラフトマン多田

卸先わずか2社のレア度!
全方位型のクラフトマン食中酒



熟練した職人のことを英語で
craftsman = クラフトマンと呼ぶ。

フランス語で職人は artisan = アルティザン、
英語でも artisan = アーティザンという言葉を
使うこともあるが……、
否。敢えて今日はクラフトマン!

なぜなら、今日紹介する銘柄は、
クラフトマンの名を冠しているからだ。

職人が醸すこだわりの酒だけあって、 地元・九州以外での取り扱いは、当面、
かがた屋酒店ともう1社のみという超限定流通!
価値あるこの機会を見逃すべからず。

「クラフトマン多田」
かがた屋酒店に初お目見え! ドドンッ♪



クラフトマン多田
写真左:スパニッシュオレンジ
写真右:キャンティブラウン

スパニッシュオレンジ(720ml) スパニッシュオレンジ(1800ml) キャンティブラウン(720ml) キャンティブラウン(1800ml)   

鹿児島を筆頭とする焼酎王国・九州にあって、
全国屈指、他県と引けを取らぬ
本格焼酎の生産量を誇る福岡県。

そんな福岡県・筑前町に、遡ること120年弱、
1898(明治31)年から、本格焼酎一筋という
強情で実直もんの焼酎蔵・天盃(テンパイ、株式会社 天盃)はある。

ちょっとかわいい名前だが、真の本格派。
本格は本格でも、
本格“むぎ”焼酎専門の蔵元であり、
何を隠そう、
むぎを究めんと、日本で唯一の
常圧2回蒸留器(天盃式蒸留器)
製作してしまうという職人気質のカタマリ。
藤原鎌足。

しかも、蒸留器を含め、むぎ麹の造りに合わせて
あらゆる設備を設計、構築しているというから脱帽。
病膏肓に入るというやつだ。

そんな、まさに、ムギの極み! を貫く蔵元・天盃が
満を持してローンチした焼酎こそ
次代のワールドフェイマス、
「クラフトマン多田」である。




麦焼酎や芋焼酎などの
本格焼酎は単式蒸留で造られるのだが、
常圧2回蒸留とは一体何なのだろう。
かがた屋酒店の中型ルーキー、
バカボン四段に聞いてみた。

通常、単式蒸留によって抽出した液体は、
イオン交換機や炭素フィルターなどで
不要な成分をろ過し、製品となる。

しかし、クラフトマン多田はろ過をせず、
代わりに2回目の蒸留で香味調整を
行うという離れ業を慣行しているのだ。

ろ過に頼らない造りは、
必要以上に成分を濾しとらないため、
本来あるべきお酒を体現し、風味も優しい。
ヴァン・ナチュール(自然派ワイン)ならぬ、
ショーチュー・ナチュールってわけだ。

だが、このこだわりに払う代償も大きいという。
コストである。蒸留にかかるガス代もそうだが、
醪(もろみ)から回収できるお酒の量も
普通なら95%程度のところ、クラフトマン多田は
実質85%ほど。手間暇原料代がしこたま掛かってる。

よし、頭では分かった。次は舌で理解しに参る!
あと、今日は友人宅でのおよばれ。
折角なので、お酒を振る舞うついでに試す!



クラフトマン多田 スパニッシュオレンジ

商品を見る(720ml)
商品を見る(1800ml)

まずは、情熱的なラベルが印象的な
スパニッシュオレンジから。

官能的な甘い香りにまずノックアウト。
口当たりは滑らか&スムースだが、
芳醇リッチな味わいがバランス良く
麦の香味に奥行きと品格を与えている。

スムージーなこいつとは、
薄切りにした青森産の臭みなし、
究極のホタテの刺身を柚子胡椒ポン酢か
塩レモンとでキュキュッといく。




飲みやすいから単体で飲んでも美味いと思ったけど、
刺身と一緒に食べるとホタテの甘味を引き立てる。
旨味豊かだが、ともすれば淡泊な貝柱の味わいを
豊富な湧水で掘り起こしてくれるかの如し。

さすが九州もんば優しかね。
北の海産物にも寄り添うとるもん。

いや、実はね、むぎ焼酎なのに、
日本酒ではおなじみだが、“酵母の選定”を
行っているのだそう。

で、スパニッシュオレンジに狙ったのは、
塩や、ポン酢など酸味ある味付けの料理と
マッチングする特徴・香りを持つお酒となること。

幸いなるかな、スパニッシュオレンジ。
酵母の特徴が思惑通りに出ているぞ。




クラフトマン多田 キャンティブラウン


商品を見る(720ml)
商品を見る(1800ml)

お次は、積年の風格を感じさせる
キャンティブラウン。
スパニッシュオレンジに比べると
香り柔らかく、オトナの雰囲気。

味わいはシルキーで蠱惑的。
じわじわと広がる甘味は、
黄金色に染まる黄昏の余韻。

またこちらにも日本酒から山廃もとの
技法を取り入れているというから天晴。
本来、乳酸を必要としない焼酎にもかかわらず、
乳酸発酵をさせ、それによって料理に合う
膨らみのある酒質を目指したのだ。

で、合わせる料理は同じホタテでも炒め物。
ニンニクの芽を合わせてマッチョな風味に。
オイラが料理したわけじゃないけど笑。




焼き目が付き、香ばしさをまとったホタテと
フルボディのむぎのロースト香が見事にマッチ。
ニンニクの芽の強い風味とも相性好し。

サケが進むススム、宮尾すすむ。
飲んだらつまんで、つまんだら飲んでって具合に、
見事に術中にハマッとる。でも嬉し♪
スモークチキンとも飲(や)ってみたけど、
まあ、言うことないよね(超旨いよね!)




さすがは料理との「和」を追求した本格むぎ焼酎。
焼酎単体でも美味いけど、
ツマミと楽しむと料理の味わいを引き出し、
翻って、バランスの良さを証明している。

スパニッシュオレンジは、
前菜なんかの軽い味わいの料理や寿司(!)、
塩やポン酢系の酸味ある料理と合うし、

キャンティブラウンなら、
タレやソース、じっくり煮込んだ濃い味系、
燻製などの香ばしい系にもビタッ!

料理の系統、味わいに合わせて、
お酒を選んで飲むって、
サイッコーなオトナの楽しみ、嗜みだよね。

今宵は、
「宣誓! 我々、のん兵衛一同は、
クラフトマンシップに乗り込み、
精製、堂々と蒸留された焼酎を飲むことを
誓ウマックス!」




バカボン四段によると、
スパニッシュオレンジはソーダ割りも
バリおすすめというのでやってみた。

甘やかな香りが更に引き立ち、
無駄な主張がない。こいつも秀逸、飯に合う。
当たり前だが水割りもよい。

一方のキャンティブラウンは、
ロックはもちろん、お湯割りや前割り燗も
おすすめ。




焼酎って、風味が強いか弱いかって軸でしか
あんまり考えてこなかったけど、
塩かタレか、料理を基準に考えるって初めて。

それに実際、料理とこんなに合うとか、
なんとセンス・オブ・ワンダーな焼酎なんだろうか。

この2本さえあれば全方位的に
晩酌・晩餐をカバーできるぜ。
感度高いオトナは要チェックしときな!

ほいじゃーね!



革新的な醸造に常に挑み続け、
独創的な蒸留器から唯一無二の
本格むぎ焼酎を醸す蔵元・天盃(テンパイ)

高コストを厭わず造られる酒質は
食中酒の思想を焼酎で体現した
これまでにない存在。

センス・オブ・ワンダー溢れる
クラフトマンによる究極の本格むぎ焼酎、
「クラフトマン多田」。

地元・九州以外での取り扱いは、
当面、かがた屋酒店ともう1社のみという
超限定流通となっております。

料理に合わせて選べる
スパニッシュオレンジとキャンティブラウン、
ぜひ2本同時にお試しください。



今週のつまみ

<ホタテ>
青森産の直送生ホタテ。刺身は1つの貝柱を3枚にしてもまだ厚い。貝ひもも旨し。



友人の地元産(青森)

プロフィール

水取 日土志
(みずとり ひとし)


38歳(男性・独身)。西小山在住。
近所のかがた屋酒店でお酒を買って晩酌するのが一番の楽しみ。
出世するつもりは毛頭なく、職場でもお酒のことばかり考えている。
最近、ウンチクが過ぎて部下にウザがられていることを自覚したのか、
酒屋で仕入れた情報は、もっぱら猫か、かがた屋の新人にだけ話している。
西洋かぶれの一面もある。外見からは想像できないくらいチャーミング。

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