「水曜に取り寄せたお酒で土日(週末)を楽しむ」がモットー(志向)。
毎日をゆるく生きる水取 日土志の緩ライフを毎週ゆる〜くご紹介。

さて、今週はどんな緩ライフを過ごしているでしょうか……

今週の晩酌酒 vol.47

[フランス産米]醸し人九平次 カマルグに生まれて、マノビ米50 720ml

前代未聞!南仏育ちのフランス米で醸す
九平次の冒険、ヌーヴェル[SAKE]創世記



平成生まれのヤングたちには馴染みないと思うが、
『南仏プロヴァンスの12か月』
(1992年/ピーター・メイル著・池央耿訳)
という本がある。

全世界で大ヒットし、映像化もされ
当時の日本でも大ベストセラーとなった。
記憶に新しいが、早25年も前のはなし。

イギリス人である著者が、
文化や風習、暮らしぶりが全く違う
フランス・プロヴァンス地方の
田舎町に移住し体験するあれこれ
(特に食にまつわるもの)をエッセイ風に
著したものだが、これにより
世界的プロヴァンスブームが巻き起こった。

折しもバブル経済の崩壊が進行する最中であったが、
日本からも多くの旅行者が出掛けていった。
実際、今でも人気の旅行先であり、
オイラにとっても憧れの地。

そんな魅惑の地、南仏プロヴァンス地方を
故郷に持つというSAKEが生まれた。
母上、大・大・大事件であります!



[フランス産米]醸し人九平次 カマルグに生まれて、マノビ米50 720ml

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カマルグ(CAMARUGUE)とは、
ビゼーによる組曲『アルルの女』で有名な
南仏の都市・アルル近郊に位置する自然豊かな地域。

アルルを分岐点とし、地中海へと二股に注ぐ
ローヌ川によって育まれた三角州地帯で、
ヨーロッパで最も美しいと称されるほど。

どんくらい自然豊かで美しいかっていうと、
ピンクフラミンゴをはじめ、野生の動植物が
多種多様に生息する広大な自然公園・湿地帯を有していて、
生物・自然保護区にも指定されているのであります。




おフランスのイメージが崩壊するよね。
まったく知らなかったカマルグ。
所詮、にわかのパリジャン気取ってただけさ。
ボンジュール!

置いといて。
そんなカマルグにはもう一つ特筆すべき側面があって、
実は、フランスの中では唯一と言っていい
稲作地帯でもあるのだ。
(日本と同じく水田による水稲栽培!)

つまーーーり!
「CAMARUGUE(カマルグ)に生まれて、」とは、
お米の栽培地が南フランスのカマルグであり、
そこで収穫したお米で造ったお酒ってことに
なるわけなんである!




読めます?
cépage Manobi(セパージュ・マノビ)って
書いてあるんだけど、「セパージュ」は
「ブドウの品種」という意味のフランス語。

さらに言うと、ある1本のワインにおいて、
複数のブドウ品種を使用している場合、
その比率を表すときに使われるワイン用語だ。

じゃあ、セパージュ・マノビは
マノビぶどうってこと?!

ノン。
日本酒の原料はなんですか?
そうです。このセパージュが意味するのは
お米の品種のこと。
だから「セパージュ・マノビ」とは、
「マノビ米」を使ってますってことなんだな。

なんすか?! マノビ米。初耳。
それもそのはず、
フランス固有品種のお米なんだってよ。




意外だけど、フランスでは「米食」って結構一般的なことで、
料理に合わせて色んなお米を使うらしいんだが、
中でもマノビ米は最も美味しいお米の一つと
されていて、とりわけリゾットに使われるんだって。

なんでかっていうと、
煮込むと旨味たっぷりのスープや調味料を
よく吸うんだけど、あんまり軟化しないから。
つまりお粥みたいにベチャっとせず
柔らかいけど、粒立った
理想的なリゾットになるわけだ。

うわ! これって酒米の要件として重要な
「外硬内軟」ってことじゃない?!
俗にいう「さばけのよい」お米ってこと。

なあるほど。そういうことか。
さすがは希代の醸造家・久野九平治氏。
渡仏は単なる冒険に非ず、だ。

九平治氏が米の栽培を始めてから既に8年。
フランスにおいては2014年から米農家、農業試験場の
協力のもと、米栽培を行ってきたという。
準備期間に3年以上かかっているわけか……。




ねぇ、上の写真を見てちょよ。
向かって左が九平治さんで、
右のばっちりスーツで決め込んだ
グラサンのイケメンは誰と思う?

国際的大企業のCEOでもマフィアでも
ございません。なんと米農家さんです!

まさかこの御仁がフランス固有品種である
マノビ米の生産者だなんて……アムールの国はやっぱ違う。
これが一番のカルチャーショック……。

コラ日土志、見た目で圧倒されてる場合か!
早く相性のいい料理を用意シルブプレ!!



カモの燻製 日土志ソースver.マスタードを添えて

フランス生まれ、フランス育ちのお酒なら
酒肴はフレンチで合わせるのが礼儀。
なんちて、名ばかりの亜流フレンチね!

というわけで、
フランスの秋には欠かせない鴨肉の燻製に
オイラ流のソースでちゃちゃっと作ったぜ。
ちなみにソースを作るのに使ったのは↓これだけ。



粒マスタードと和風たまねぎドレッシング

この2つをボールに入れて混ぜただけさ。
鴨肉だって、全部で250円(税込)くらい。安っ!

バーナーがないので、フライパンで
鴨肉に軽く焼き目を付けてスライス。
日土志ソースを適量かけて出来上がり。

じゃ、ディネ(dîner=フランス語:晩餐)はじめます。
まだ明るいけど笑




まずは一献。
今日はここぞとばかりにリーデル社の
ワイングラスを引っ張り出し、
シャルドネ用のグラスでセルフサーヴ。

淡く黄色味がかった輝きで、
少しトロッと粘性があるように見てとれる。

ワイングラスから立ち昇る香りは、
ヨーロッパ品種のブドウ、であると同時に
そのブドウから造った白ワインを思わせるもの。

驚きである。

舌先に柔らかで控えめな甘味を感じた後、
ミネラル感のある端正な旨味と豊潤な甘味が広がる。
素晴らしくバランスがいいのは、
上質な酸が隠れているから。

後味に九平次らしいGOODビターと
ピリッとほのかな発泡感がして引き締まる。
石灰などミネラル分を感じるアフターが印象良く、
短めでキレもいい。

「なんと素晴らしきフランスの実り」




燻製を一切れ。
酸味の強いマスタードソースと
九平次の主張せず輪郭を成していた酸味が
鉄板の相性で相乗効果を生んでいる。
相思相愛。国際結婚。

鴨肉の脂が残る口内に
九平次の端正なミネラル感が合わさると
二股に分かれたローヌ川が地中海に注ぎ、
今ひとつとなった。
甘味と旨味広がる口福の海!

だから今日の晩酌の味わいに
間延びする余地なんてない!
「ジュテーム、セパージュ・マノビUMAX!!」




あんまりフレンチを嗜む機会もないもんで
分からなかったけど、
本場フランスの有名レストランで、フランス料理に
「醸し人九平次」がともされるというのも納得である。
合うもん。

さらに今回新発表の「カマルグに生まれて、」は
フランス米だもの、よりナチュラルに
オイラの亜流フレンチに寄り添ってくれたんだな。

もちろん、マノビ米はフランスから持ち帰り、
ナゴヤ,ジャポンの自蔵で仕込み醸しているわけで、
だからこそ到達し得たクオリティに他ならない。

「セパージュ」という概念を取り入れ、
ワールドスタンダードに歩み続ける
「醸し人九平次」が、
ここからまた新たな創世記を織り上げていく。
まったく目が離せんよ、恐れ入りました。

最後にもう一つ。
お猪口でも旨いけど、このお酒を楽しむなら
質のいいワイングラスが似つかわしい。
魅力をしっかり引き出してくれるし、
最大限に味わえるってものさ。

ほいじゃーね!





3年以上の月日を費やし、
ついに誕生したフランス産米のSAKE、
醸し人九平次の
「CAMARUGUE(カマルグ)に生まれて、」

南仏プロヴァンス地方のカマルグという
自然の聖地のような場所で育まれた、
マノビ米(フランス固有品種)を使用し
名古屋で醸したかつてない九平次、
歴史上、類を見ないお酒です。

ぜひ「黒田庄に生まれて、」と飲み比べて、
セパージュ(品種)の違いを体感してください。

お取り扱いはかがた屋酒店、および
Online Store かがた夜酒店にて。

時代の証人になるなら、
今をおいて他にありません。
お早目にご注文ください。



日土志が飲んでいるお酒

[フランス産米]醸し人九平次 カマルグに生まれて、マノビ米50 720ml

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今週のつまみ

<カモの燻製 日土志ソースver.マスタードを添えて>
この九平次には、ソースに柑橘類か酢で酸味を足したらもっと合うと思う。



業務スーパー 西小山店 & まいばすけっと 西小山駅前店
 

プロフィール

水取 日土志
(みずとり ひとし)


38歳(男性・独身)。西小山在住。
近所のかがた屋酒店でお酒を買って晩酌するのが一番の楽しみ。
出世するつもりは毛頭なく、職場でもお酒のことばかり考えている。
最近、ウンチクが過ぎて部下にウザがられていることを自覚したのか、
酒屋で仕入れた情報は、もっぱら猫か、かがた屋の新人にだけ話している。
西洋かぶれの一面もある。外見からは想像できないくらいチャーミング。

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