世界初？！ 田んぼじゃない！
畑で作ったお米のシン・ツチダ！

私たちが普段食べている「水稲米（すいとうまい）」に対し、
こちらは「陸稲（りくとう・おかぼ）」のお米で造った日本酒です。
（研究醸造Data31）

陸稲は、古くは縄文時代の晩期から、
弥生時代の初期までは耕作されていたと言われますが、
育てるのが難しい上、美味しいお米はできないという定説もあり、
一部の地域を残してほとんどが水田になりました。
現代では、一部の地域を除いてほとんど栽培されていません。

そんな中、蔵元と知り合った群馬県の農家さんが、
蔵元の話を聞くと知的好奇心から陸稲栽培を開始。
すると食べて美味しい陸稲を見事に作ってくれたのだそうです。
しかも、無肥料、無農薬で！

そうなると、
普段から飯米でお酒を造る土田酒造にとっては、
舞台を用意されたようなもの。
熟練の醸造技術で陸稲「ハッピーヒル」を醸しました。
ちなみにハッピーヒルの本名は「福岡2号」
ハッピー＝福、ヒル＝岡、ってことだそうです笑

そして、できたお酒はビックリするほど旨い。
最初にフワっと甘みを感じられるし、
ウィスキーのような独特の風味がして気品のある味わい。
最後はキレが素晴らしく、
鼻腔に余韻は残しつつ、
舌の上からの去り際は雑味と無縁。

数々の常識を破ってきた土田酒造ですが、
初めての陸稲を原料にして、
いきなり傑作を生み出してしまった！
と言わざるを得ません。
恐れ入りました。
お召し上がりになる際は、
冷酒より、ぜひ常温〜熱燗でどうぞ。

◎おすすめの料理
・カシューナッツやチーズ等、油分の乗った食材を使ったもの

また、今作をきっかけに、
「世界で日本酒が造られる可能性が広がる」
と蔵元の土田さんは言います。
どういうことでしょうか。
以下は土田さんのお話から抜粋しました。
ぜひご覧ください。

水田というのは、景観も美しく、
素晴らしい風景を生み出すのですが、
限られたとても厳しい場所の条件が必要です。

多くの水をひけて、
緩やかな勾配があり、
日照条件がよく、
さらには田んぼにひいた水を出せる。
といった場所になります。
私たちも田んぼをやってみて、
こういった恵まれた土地ではないと田んぼができないと感じておりました。
しかし、陸稲でしたら、
畑のように水をまければよいので条件がとても緩くなります。
今までお米を作れない場所でもお米ができるようになります。

さらに私たちの醸造技術でしたら、
ご存知のように食べるお米をそのままお酒にできます。
そうしますと、お米があまりできなかった地域でも、お酒づくりができるようになるのです。

いつか世界のどこかで、陸稲のお酒ができたとき。
発祥は、私たちが取り扱ったあのお酒からなんだよ。
と、ひっそりとですが、自慢できる日が来るかもしれません。
そんな貴重な体験を、皆様と共有できる日を夢見て。
（土田祐士）


【土田酒造 YOUTUBEチャンネル】

ハッピーヒル動画


 

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