「水曜に取り寄せたお酒で土日(週末)を楽しむ」がモットー(志向)。
毎日をゆるく生きる水取 日土志の緩ライフを毎週ゆる〜くご紹介。

さて、今週はどんな緩ライフを過ごしているでしょうか……

今週の晩酌酒 vol.66

限定18本/責め押切/大正の鶴 純米吟醸無ろ過生原酒 1800ml

朝日米を愛し、朝日米に愛された男、
Mr.“ライジング”落 昇リターンズ!



落 昇(おちのぼる)リターンズ!


世の中には様々なリターンズがある。
例えば、
バットマン・リターンズ
スーパーマン リターンズ
超高速! 参勤交代リターンズ

主に映画だな。うん。
そんな中、リターンズと聞いて最初に浮かんだのが
『密・リターンズ!』(ひそかりたーんず)。

ジャンプ黄金期の末頃、1995〜1996年に
週刊少年ジャンプで連載された作・八神 健による
傑作SFラブコメ漫画だ。

主人公の端島 密(はしじまひそか)は
同僚で恋人の星崎 理都(ほしざきりと)に
橋の上でプロポーズをするも、
川で溺れている少年を発見、
少年を助けるため飛び込み、そのまま帰らぬ人に。

笑えない話。

しかし、密は死亡したはずの少年に魂を
入れ替えられてこの世にリターンズ。
少年の姿のままで、もう一度、理都と
ねんごろになろうと頑張るというお話。

ヒロインの理都さんにとって少年は、
元恋人が死ぬ原因となった人物ですし、
理都さんに素性を打ち明けられない制約を
背負ったままアタックするのだから大変だ。
(真相をばらすと死んじゃう)

人は見た目が9割なんて言葉があるけれど
“内面(魂)が外見を超えるか”という命題に挑戦した
意欲的な作品です。好き。

前置きはこのくらいにして、
今日は落 昇(おちのぼる)リターンズ!



限定18本/責め押切/大正の鶴 純米吟醸無ろ過生原酒 1800ml


商品はこちら   

前置きでリターンズ、リターンズ言うとりましたけれども
落 昇(おちのぼる)杜氏の身に何かあって
今回やっと復活したとかではなく、
単純に『今週の晩酌』に再び登場(二回目)ってだけね。

そそ、言いたかったの。リターンズって、わはは。
ちなみに前回のお酒は、
落 昇杜氏直筆シリアルナンバー入り30本の
超限定だったけれど、今回も負けてない全国限定60本。
うち18本のみ、かがた屋酒店に入荷したそうだ。

もちのろん、今回もブレない姿勢。
岡山県産の「朝日」米で仕込んだお酒でございます。




おさらいすると、朝日米は、
「東の亀の尾、西の朝日」という言葉が
あるほど古くから美味いとされてきたブランド米で、
あのコシヒカリやササニシキといった
メジャー米のルーツ、祖先にあたる米。

また、現在流通しているお米の中で唯一、
人工交配されていない在来品種というわけで
日出ずる国の由緒正しき米なんである。

つまり、酒米ではなく飯米。
そのため、麹造りに重要な
お米の中心部のでんぷん質「心白」が小さく、
本来、酒造りには向かない品種だ。

また、背が高いため稲が倒れやすく、
穂からモミが落ちやすいという性質もあって、
生産者が激減、幻の米となっている。
だからこそ、地元産米へのこだわりを貫くのが
落 昇という男闘己。ってことよ。

以上、おさらい完了! ツマミの準備に精を出せ!



「宅バル 海老のアヒージョ味」

はい、まず今日はこちらの焼菓子を使用します。
ワイン×料理研究家 大橋みちこ先生監修のおつまみラスク。

いつどこで手に入れたかは覚えていない。
たぶん、帰りの新幹線で一杯飲るかって
なった時に買ったんだろうけど、
如何せんアヒージョって言われてもね。
スペイン行ったわけじゃなし、
取っ掛かりがない。

そんなわけで賞味期限もギリギリだし、
折角買ったので使ってみるぶぁい。



カマンベールチーズとトマトのブルスケッタ風はちみつがけ

普通はバゲットにオリーブオイル
(すりおろしたニンニク入り)を塗るんだけど割愛。
だってラスクにオニオンパウダーがかかってる。

ラスクにフライパンでトロッっとするまで
焼いたマンベチ(カマンベールチーズね)をのせ、
その上にオリーブオイルと刻んだイタリアンパセリ、
塩コショウでマリネしたトマトをのせ、
はちみつをダラーっと回し掛けしたらできあがりどぅあっ!




ツマミの準備も無事完了!
万事オーケーにつき、
一事が万事、海江田万里!

早速一献……の前に、
「責め押切」とは何ぞや?!
ってことよね。

分解すると「責め」と「押切」
2つの言葉になる。
まずは「責め」について。




日本酒は搾ったタイミングによって
大きく3タイプのお酒に分類される。

醪(もろみ)の搾り初め、
自然にしみ出てくる最初のお酒は
薄くオリの絡んだ「荒走り(あらばしり)」だ。
香気立つ、荒々しくも軽ろやかな味わいが特徴。

次が「中取り」「中汲み」で、
程よい圧力で搾られるから、
最もバランスのとれた香り、味わいとされる。

最後が「責め(せめ)」と言われる部分。
圧力をかけて搾るので雑味多く、
アルコール濃度も一番高い。

そのため、味に厚みがあって飲み応え満点だけど、
ガッツンとパンチが強いので
「あらばしり」や「中取り」と違って普通はこの
「責め」だけを詰めたお酒は出回らない。

万人向けとは言い難いからね。
他の部位と上手くブレンドして
味・酒質を調えたものが出回るという寸法。

でも、ここにあったよ。
「責め」「押切」だけを詰めた「責め押切」。
攻めてんなーー☆ さすがはMr.ライジング。




おっと「押切」の説明を忘れてたすまん。

「責め」と同じ部位を「「押切り(おしきり)」とも言う。
千葉ロッテ・涌井(背番号16)の嫁、
「押切」もえシャンのことではない。

「責め押切」とはつまり、
「責め責め」「押切押切」って言ってるようなもん。
THE BLUE HEARTSの「リンダリンダ」とか
「トレイントレイン」だな(違うか)。




ついに大正の鶴「責め押切」を一口いただく。

最初に甘味控えめで主張せず、
酸味との見事な調和から上品、かつ
淡麗で辛口な印象が来るも、
口中で広がると責めらしい複雑味を
舌の上でピリピリと感じ、力強い味わいを堪能。

リンゴやカリンのようなキリっと気品溢れる
果実香が鼻腔を駆け抜けると、
後から渋みやビター感など、
エッジの効いたフレイヴァーを感じられる。

「ミスター個性豊かさん!」

こいつぁーなめてると鼻っ柱をぶん殴られる。
さすが搾りの最終部位レペゼン、
「責め」と「押切」の二大看板を名乗るだけある。

では、ブルスケッタと参る。




海老アヒージョの風味を得て、
マンベチ(カマンベールチーズね)の濃厚な旨味、
トマトの酸味甘味、イタパセの青臭さが
渾然一体となって美味し。

大正の鶴「責め押切」で追っかければ、
倍に風味を増し、チーズの旨味と溶け合う。

たっぷりかけた未精製はちみつの風味が
「責め」「押切」由来のエッジの効いた後味と
ドッキングし、人類未踏の星域へと旅立った。

今オイラの口の中は化学反応が連鎖し、
「テラ・フォーミング級の大変化が巻き起こってるよウマックス!」




いやーーーまったく初心者向きではないお酒だが、
合わせる食材、料理によっては間違いなく化ける。

今回はカマンベールチーズ(マンベチね)に
したけど、ブルーチーズとも合わせてみたい。

ブルーチーズと言えばフルボディの赤ワインだけど、
実際、長期熟成向きの赤ワインが豊富に含む
タンニンに近いフレイヴァーが
この大正の鶴「責め押切」にはあるよ。

だから、開栓してからじっくり待ってみ。
数日すると後味に残る渋みやビターさが落ち着き、
繊細な味わいをもたらしてくれるはず。
その変化の様はマジでテラ・フォーミング級さ。




ま、この酒を楽しめるようになれたら
日本酒有段者って胸張って言っていい。
「中取り」と飲み比べれば更に上級者じゃん。

最後に、
雑味が苦手なら、冷や(常温)以上の温度帯が好ましい。
生酒だけど冷たすぎないほうがいいと思うんだ。

ほしたらばー!




地元産へのこだわりを貫き、
酒米ではなく飯米の朝日米を
硬水で仕込むという
超絶アクロバットを成し遂げた男闘己
落昇(おちのぼる)。

朝日米×「責め」「押切」由来の
エッジの効いたフレイヴァーが魅力の本作。

様々な料理とのマッチングを探り楽しむもよし、
自家熟成によるテラ・フォーミング級の味変を楽しむもよし、
飲みこなせれば日本酒有段者認定です!

全国限定60本のうち、
かがた屋酒店に入荷したのは18本のみ。
お早目にご注文ください。







日土志が飲んでいるお酒

限定18本/責め押切/大正の鶴 純米吟醸無ろ過生原酒 1800ml

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今週のつまみ

<カマンベールチーズとトマトのブルスケッタ風はちみつがけ>塩っけの強いカマンベールチーズのほうが合うと思うんだ。



サミットストア 西小山店と
まいばすけっと 西小山駅前店

プロフィール

水取 日土志
(みずとり ひとし)


38歳(男性・独身)。西小山在住。
近所のかがた屋酒店でお酒を買って晩酌するのが一番の楽しみ。
出世するつもりは毛頭なく、職場でもお酒のことばかり考えている。
最近、ウンチクが過ぎて部下にウザがられていることを自覚したのか、
酒屋で仕入れた情報は、もっぱら猫か、かがた屋の新人にだけ話している。
西洋かぶれの一面もある。外見からは想像できないくらいチャーミング。

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