「水曜に取り寄せたお酒で土日(週末)を楽しむ」がモットー(志向)。
毎日をゆるく生きる水取 日土志の緩ライフを毎週ゆる〜くご紹介。

さて、今週はどんな緩ライフを過ごしているでしょうか……

今週の晩酌酒 vol.50

[10年貯蔵]YAMAMOTO 10-YEARS 純米大吟醸 山田錦 720ml

めでたい連載50回目は……
熟成酒の観念を覆すビッグバン級の一本!



祝☆連載50回!!!!!

昨年から始まった
オイラの日々の晩酌を紹介する
「水取 日土志 今週の晩酌」も
ついにvol.50でござる。

同僚や後輩が労ってくれるかは
不確定事案につき、
自分でお祝いの言葉を述べとく。

「日土志さん、おめでとうございます!」
「どなたか存じ上げませんがありがとうございます!」




おいおいおい、エアー労い(のやり取り)だ。
泣いてる場合じゃねぇ!
さあ日土志よ、気を取り直せ!
この記念すべき回に飲ませていただくお酒は??

「山本!」

そう、オイラが日本酒にどっぷりハマる
きっかけとなったお酒さ。
スペシャルな回にピッタリじゃんっ!

SEXYな酵母(蔵付きセクスィー山本酵母)を
操り、ケレン味ある仕掛けやら、
エスプリの利いた言動で
いっつも楽しませてくれる蔵元さん。

「vol.40」では山本の新商品
「山本 アイスブルー」をご紹介。
日本三大美林「秋田杉」の木桶で仕込んだ
箱もラベルもかっちょいい純米大吟醸を
秋田名産の蓴菜(じゅんさい)と
もずくのポン酢がけで美味しく頂いた。
(旨かったーーーー!)

では、今日登場する山本は何か。
ははははは! 特別な1本を用意したぜ!



[10年貯蔵]YAMAMOTO 10-YEARS 純米大吟醸 山田錦 720ml

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山本といえば、世界遺産・白神山地の
天然湧水で仕込まれたフレッシュで
綺麗な酒質、それと甘酸っぱい味わいの
お酒ってイメージが強い。

そんな山本が熟成酒?!
10年貯蔵だから大古酒、秘蔵酒の部類。
(5年以上貯蔵したものは秘蔵酒と呼ばれる)
しかも純米大吟醸ときたもんだ。
さすが大胆なことやってくれるぜい!



↑憧れの蔵元・山本 友文さんと
YAMAMOTO 10-YEARS


この「YAMAMOTO」は10年もの間、
年間を通し8℃に温度管理された
地下貯蔵庫に寝かされていたそうだ。

10年前、折しも山本(山本合名会社)が
杜氏制を廃止する年、最後の杜氏さんが
造った出品酒クラスの純米大吟醸であった。

ところがまだ若く、評価基準に達しない、
飲み頃ではないとして、
不本意ながら文字通り日陰に追いやられた。
杜氏さんをはじめ、蔵元・蔵人たちは
どんな思いだったろう。

翼をもがれた黒鳥は、
暗い酒蔵の中、いつか陽の目を浴びることを夢見て
じっと耐え、内に力を蓄えつつ……

新たな翼を宿し、ついに顕現したのだ!

二度と味わえない貴重なYAMAMOTOを
最大限味わい尽くす!
そのために最高のもてなし料理を振る舞おう。
オイラのためにバイマイセルフ!



大人の蒲焼
(おとなのかばやき)


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洒落たパッケージ。ウマそうす。

国産のサンマ蒲焼きに、臼で挽いた
紀州産ぶどう山椒粉をまぶしているという。
「大人」と銘打っているからには
それなりの仕掛けがあるに違いない。

元より、
うなぎの蒲焼きと琥珀色の熟成酒は
鉄板の組み合わせとしてメジャー。
誰も疑う余地がないところ。
モノにもよるがね。

だがそれじゃあ「YAMAMOTO」に顔向けできぬ。
自分なりの新しい試みがなければな。
リスクを取らずしてリターンはないのだ。
だから蒲焼きは蒲焼きでも秋刀魚/さんま、
そして缶詰めという布陣!
値段にしたら何分の一?

こいつを一工夫加えていただく。
と言っても火にかけるだけね。




キクーーーーーーーーーーーぅ♪
シビれるーーーーーーーーーぅ♪
これか「大人の」って冠する理由は。

粉山椒のヴィヴィッドな香り、
鮮烈な刺激、たまりもはん!
敏感な子どもには刺激が強すぎるかもね。

甘辛のタレも実にデキがいい。
甘ったるくない、よどみがない。
缶詰めのくせ、材料おごってやがる。
歓迎!

時は満ちた。今日は外飲み!
狂乱の宴 vol.50 スターツッ!!




このボトルのかっちょよさ。
ミリタリー感ある。SFっぽい。
と感想を言いながら、
いよいよ開栓し、杯に注ぐ。
淡く美しいトパーズ、琥珀色に輝く、ゆらめく。
熟成酒ならではの粘性ある液体ながら
思ったよりサラリと口溶ける。

搾った当初、デキの良くない
お酒だったと誰が思うだろう。
かつて口にしたことがないほど清々しく、
鼻から抜けるアロマはまさにバニラ。
この神々しき液体を何と並び称すればよいか。

メイラード反応を起こし、熟成香も色も
付いているが、へんな話、雑味のない熟成酒。

例えれば、スコッチや泡盛・焼酎などの
高級な蒸留酒が長い年月をかけて熟成し、
荒々しいアルコールのカドが取れて
飲みやすい酒に昇華されていくかの如し。

名のあるブランドの蒸留酒なら、
何十万円ってするだろうね。
このクオリティの高さならばね。




「大人の蒲焼」と合わせてみる。
直火焼きしたサンマに、
深みのある甘辛い蒲焼きダレが
コーティングされた香ばしさに
熟成由来のカラメル様のアロマ、
バニラ香がマッチング。

スパイシーな山椒の香味を
YAMAMOTOが包み込むように融合し、
黄昏の王国から帰還するホビットのごとく
雄々しく優しく佇む。
いわく、無理がない嘘がない。
自分を鼓舞して大きく見せる必要がない。

アフターの芳しく蠱惑的な余韻。
どこまでも続く田園、
金色の稲穂が風にそよぐ姿、
刈り取る人々が眼前に広がる。

今日は収穫祭だ!
「オトナのSWEET 10 YAMAMOTOウマックス!」




このままだと1本じゃ足らんぞ。
大事に飲まんと……。

だって、言うの忘れてたけど
蔵元は、8年前に山田錦の購入をストップしてる。
つまりこいつは、
その山田錦醸造の最後期に造られた
幻の山本ってことになるわけさ。

うーむ、なんか宇宙を漂っている
タイムカプセルっぽく見えてきた。
新しい物語がはじまりそう。
ほいじゃーね!





エスプリに富む秋田の蔵元
「山本」の眠れる純米大吟醸、
YAMAMOTO 10-YEARS.

杜氏制最後の年、
飲み頃まで待つべきと決断し、
出荷を見合わせたお酒を10年間、
蔵人が8℃に徹底管理し守り続けた
信念と絆の結晶です。

色も味もしっかり熟していますが、
熟成酒の観念を覆すほどの
清涼とした仕上がりには脱帽、
見事としか言いようがありません。

「山本」が山田錦の購入を止めて8年、
突如現れた純大山田錦はまさに
ビッグバン級の蔵出しと言えます。

クリアブラックなボトルに
ミリタリー系の極太シルバーフォントが
特大インパクトでハート鷲掴み。

日土志さん曰く、
「もう二度と山本の山田錦は拝めないかもよ」
とのこと。
数に限りがあります。
お早目にご注文ください。



↑「大人の蒲焼き」で白飯を
かっ込むサトシ(かがた屋酒店スタッフ)。
日土志(ひとし)さんではありません!



日土志が飲んでいるお酒

[1人1本/10年貯蔵]YAMAMOTO 10-YEARS 純米大吟醸 山田錦 720ml

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今週のつまみ

<大人の蒲焼>
蒲焼の語源を調べてみると、例によって諸説あり。へぇ〜、ガマの穂のガマって「蒲」って書くんだ。



かがた屋酒店
 

プロフィール

水取 日土志
(みずとり ひとし)


38歳(男性・独身)。西小山在住。
近所のかがた屋酒店でお酒を買って晩酌するのが一番の楽しみ。
出世するつもりは毛頭なく、職場でもお酒のことばかり考えている。
最近、ウンチクが過ぎて部下にウザがられていることを自覚したのか、
酒屋で仕入れた情報は、もっぱら猫か、かがた屋の新人にだけ話している。
西洋かぶれの一面もある。外見からは想像できないくらいチャーミング。

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